未経験の志望動機が書けないとき。会社の取材記事から、伝わる一文をつくる
未経験の仕事に応募したいのに、志望動機が「成長したいです」で止まる。立派な実績を探すほど、何も書けなくなることもあります。まずは会社の取材記事から、心が止まった一場面を選びましょう。そこに自分が実際にしたことを重ねると、その会社に話してみたい理由が見えてきます。

書き始める前に、会社への関心と職務への理解を分ける
MITの公式キャリア資料は、企業と職務を調べ、関心を持った理由や、自分の経験との接点を整理することを勧めています。Yaleの資料も、会社と職務ごとに内容を合わせ、関連する力を具体例で示す考え方を紹介しています。海外の応募書類の形式をそのまま使う必要はありません。この二つの視点を、志望動機の下書きに借りてみましょう。
取材は、働く人が何を大切にしているかを知る入口です。一方で、過去の取材で語られた仕事が、今の募集職種や自分の配属先と同じとは限りません。記事の内容と現在の募集要項は、別々に確かめます。
STEP 1|「共感した」より先に、一場面を拾う
社長の経歴をすべて覚える必要はありません。お客さまへの説明、失敗した日の対応、仲間との相談など、気になった場面を一つメモします。記事のURLと、そこで誰が何をしたかを残してください。「社員を大切にする会社」など広い評価より、「困ったときに担当者同士で相談していた」という行動のほうが、自分の言葉につなげやすくなります。
STEP 2|自分が実際にした、小さな行動を重ねる
次に、その場面で大切にされていたことと、自分の経験の接点を探します。アルバイト、学校、家事、地域の活動など、説明できる事実が材料です。「誰のために、何を確かめ、どう動いたか」を一つ書きます。売上やリーダー経験、資格を足す必要はありません。重なる経験が見つからなければ、興味を持った理由と、今調べていることを正直に書きましょう。
STEP 3|一文をつくり、募集内容で確かめる
下書きは「記事のどの行動に関心を持ったか」「自分の経験や考え」「応募職種で取り組みたいこと」の順でつなぎます。長くなるなら二文に分けて大丈夫です。最後に求人票を読み、その仕事で求められることとの接点を確認します。募集が分からない段階では応募文を完成させるより、担当する仕事を聞くためのメモにしておきましょう。
架空例|実績を増やさず、関心を具体的にする
以下は会社・人物ともに架空の例です。生活用品会社の取材に、商品の使い方を相手に合わせて説明した場面があり、応募者には学内課題で手順を確認し合った経験がある、と仮定します。現在の募集と配属、必要資格は未確認です。
「取材記事で、使い方を相手に合わせて伝える姿勢に関心を持ちました。学内課題で手順を確認し合った経験を振り返り、説明の工夫が必要な仕事を知りたいと考えています。」これは相談前の下書きです。応募時は確認した職種の内容と、自分が実際にした行動に置き換えます。
今日のゴールは、聞いてみたい会社を一つ選ぶこと
気になる会社の記事を一つ開き、一場面と自分の経験をマイノートへ残しましょう。質問メモで仕事内容を整理し、公式の採用案内で現在の募集・応募条件・連絡方法を確認します。相談や見学の受付があれば尋ね、応募するなら指定された方法に沿って進めましょう。
経験がないときは、業界経験と日常の行動を分ける
業界未経験と、何も経験していないことは同じではありません。アルバイト、学習、家事、地域活動などから、依頼を聞く、手順を守る、相手へ伝える、といった実際の行動を探します。ただし、その行動が専門職の実務経験と同等だとは言わないことが大切です。
厚生労働省のマイジョブ・カードは、経験を棚卸しして強みと企業のニーズを結びつける準備を紹介しています。本稿では、その準備を志望動機に使う編集部の整理表へ置き換えています。
| 材料 | 書くこと | 避けたい飛躍 |
|---|---|---|
| 仕事への関心 | 応募業務のどの作業に関心があるか | 会社が有名だから、だけで終える |
| 実際の行動 | 誰に何をどうしたか | 未確認の成果や経験を作る |
| 学ぶ準備 | 調べたことと残る課題 | すぐ即戦力になれると断言する |
例文を写す前に、会社の仕事と接続できるかを見る
架空の例です。接客から営業事務を希望する場合、「忙しい時間に注文内容を復唱し、抜けがないか確認した」という経験なら、受発注の確認作業への関心と結びつけられます。ただし、営業事務の専門知識まで身につけたとは書けません。
一文の型は「募集されている〇〇の作業に関心があります。私は△△で□□に取り組みました。必要な知識は学習を進めており、入社前に特に準備すべき点を伺いたいです」。空欄を事実で埋められない場合は、企業研究や経験のメモへ戻りましょう。
ここから始めてみよう。
- 会社の取材記事から気になった一場面とURLをメモする
- 自分が実際にした行動、または関心を持った理由を一つ重ねる
- 募集職種との接点を確認し、一文を質問メモや応募文にする
会社に、こう聞いてみる。
取材で語られた取り組みには、今回の募集職種ではどのように関わりますか?
未経験で応募する場合、応募時に必要な経験・資格と、入社後に学ぶことを教えていただけますか?自分用の質問メモをつくる
よくある疑問
立派な実績がない場合は何を書きますか?
実績を作らず、担当した作業、困った点、取った行動を具体的に記します。その経験と募集業務の接点を考えます。
この記事の根拠・参考資料
資料の事実をもとに、質問例や行動案は編集部が提案しています。
- MIT CAPD|Career toolkit: Writing a cover letter 確認:2026-10-19
- Yale Office of Career Strategy|Cover Letters & Correspondence 確認:2026-10-19
- 厚生労働省 マイジョブ・カード:自己PRを書く準備 確認:2026-10-21
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